膀胱炎には、「単純性膀胱炎」と「間質性膀胱炎」があります。
単純性膀胱炎は、ばい菌が尿道へ入って起こる非常にポピュラーな膀胱炎です。
一方、膀胱炎の中で注意が必要なのは、細菌性膀胱炎によく似た症状でありながら、尿検査をしても細菌が見つからず、原因がはっきりとわからない「間質性膀胱炎」という病気の場合です。
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単純性膀胱炎と間質性膀胱炎
排尿時に痛みがある、残尿感、頻尿、尿が濁るなどの症状が同時に起こる、最もポピュラーな病気は、「急性単純性膀胱炎」です。
この病気の直接の原因は、免疫力の低下によって、大腸菌などの細菌が肛門から尿道へ侵入し、膀胱で繁殖して粘膜に炎症を起こすというもの。体の構造上、女性にはとくに起こりやすい病気です。
膀胱炎かなと思ったら、水分をしっかりとって尿を出し、細菌を出してしまいましょう。
このタイプの膀胱炎なら、症状が軽ければ、 薬局で漢方薬を購入。→(参考頻尿、尿もれに効く漢方薬とは?)
症状が重ければ、クリニックで抗菌薬を処方してもらえば、3〜5日間で改善します。
間質性膀胱炎は細菌性の膀胱炎と違って原因がわからない?
検査では異常がないといわれたのに、しつこい頻尿や強い尿意、膀胱の痛みなどが続く埸合には間質性膀胱炎が疑われます。
間質性膀胱炎にかかると、一度の排尿量が200ml以下と少なく、1日に20〜30回もトイレに行 ったり、膀胱や下腹部に強い痛みを感じることもあります。
まだはっきりとわかっていませんが、最近の研究によって少しずつそのメカニズムが明らかにされてきています。これまでにわかっている原因は、
①膀胱粘膜の弱さ
②膀胱粘膜の下にある間質で起こるアレルギー反応
③神経の異常による骨盤内の知覚過敏
などです。
間質性膀胱炎は、気温の変化がはげしいとき、ストレスや疲労がたまっているとき、月経周期によって症状が悪化するといわれます。
尿をしたくなって我慢するときの感じが、漏れてしまうというよりも痛みに近いのが間質性膀胱炎の特徴です。
尿を出すときよりも尿がたまっているときに痛くなります。ときには、日常生活に支障をきたすほどの強い痛みを起こすこともあります。
また、痛みがない程度の間質性膀胱炎では、頻尿が主な症状になります。つまり、過活動膀胱と区別がつきません。
違いをあえて言えば、間質性膀胱炎では尿が少ししかたまっていなくても不快感がして、尿をしてもしばらくすっきりしません。
刺激物、すっぱい食べ物にご用心
また、最近、間質性膀胱炎の痛みを引き起こす原因になる食べ物などがわかってきました。それは次のようなものです。
- カフェインを含むもの
- アルコール類
- 柑橘系のジュース
- 酢の物や酸味の強いもの
- 香辛料や食品添加物が多く含まれたもの
- チーズやヨーグルトなどの発酵熟成させた食べ物
などが症状を悪化させるといわれています。
このような食品はなるべく避けたほうがよいでしょう。
重曹のアル力リ性が酸性の食品を中和
しかし、もしも誤ってこれらの食品をとってしまつた場合でも、 症状をやわらげることができる方法をご紹介します。その方法とは、重曹水を飲むこと。重曹(炭酸水素ナトリウム)は、料埋や掃除、美容などに幅広く使われているものです。
これを水に溶かすと、弱アルカリ性を示します。避けたほうがいいとされている食品の多く は、尿を酸性にしますが、重曹にはこれを中和する働きがあるため、 膀胱粘膜への刺激を抑えることができるのです。
突然膀胱が痛みだしたときは、痛みを起こす食品を食べた可能性もあり、このようなときに重曹水を飲みましょう。
ただ、知っておいていただきたいのは、間質性膀胱炎の症状を引き起こす食品には、個人差があるということ。その日の体調などによっても、症状が強く出る場合と、そうでない場合があります。
自分にとってどんな食品が危険なのかまたは大丈夫なのかは、食事日誌をつけておくと便利です。
重曹水の作り方
150ml~200mlの水に「食用」の重曹を1g程度(小さじ4分の1程度)入れ、かき混ぜて飲みます。
膀胱痛があるときに1杯飲みましょう。
間質性膀胱炎の対応
間質性膀胱炎は、決してめずらしい病気ではありません。
しかし今まではごくまれな病気だと誤解されてきたため、泌尿器科で診察を受けても十分に対応してもらえないこともあります。
我慢出来ない痛みがでたら、ぜひ、 排尿の卜ラブルを特に専門にしているお医者さんの診察を受けることをおすすめします。