おしっこの悩みに使われる薬はどのようなものがあるのでしょうか?
泌尿器科にかぎらず、薬で病気が治ったり症状がとれるのはありがたいことです。
おしっこの悩みに使われる薬としては、長い間、副作用は少ないが効果もそれほどはっきりしないものが経験的に使われてきました。
目次
おしっこの悩みに使われる薬
近年、膀胱・尿道のまわりの筋肉や、そこに関係している神経の作用が解明されるにつれ、より生理学・薬理学的根拠のはっきりした薬も開発されるようになりました。
だんだん、より効果があり副作用も少ないとされる薬が改良され、工夫されるようになったものの、高血圧や胃潰瘍で用いる薬ほど効果があるとは思えないという声もあります。
改善されたといっても、副作用のため、内服を中止せざるを得ない患者さんも多いです。
おしっこの薬は目的により大きく2つに分けられます。
1つは、頻尿のとき使われる抗コリン薬が中心。
2つ目は、翌腺肥大症で尿道が狭くなりおしっこが出づらい人に使われる薬です。
尿トラブル治療薬の症状別一覧
一般名 |
イミダフェナシン |
コハク酸ソリフェナシン |
徐放性酒石酸トルテロジン |
塩酸プロピべリン |
塩酸オキシブチニン |
フラボキサート讎塩 |
|
商品名 |
ウリトス・ステーブラ |
ベシケア錠 |
デトルシトールカプセル |
バップフォー錠・細粒 |
ポラキス錠 |
ブラダロン錠 |
|
規格 |
0.1mg |
2.5mg、5mg |
2mg、4mg |
10mg、20mg |
1mg、2mg、3mg |
200mg |
|
販売年月 |
2007年 |
2006年 |
2006年 |
1993年 2006年 |
1988年 |
1984年 |
|
服用量(mg) |
0.1mgを1日2回経口服用 |
5mgを1日1回経口服用。1日最高服用量は10mg |
4mgを1日1回経口服用。患者の忍容性に応じて減量 |
20mgを1日1回食事後経ロ服用。1日最高投与量は40mg |
1回2~3mgを1日3回経口服用 |
1回1錠、1日3回経口服用 |
|
適 応 症
|
頻尿 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
尿失禁 |
|
|
|
〇 |
〇 |
|
|
残尿感 |
|
|
|
|
|
〇 |
|
尿意切迫感 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
〇 |
|
|
切迫性尿失禁 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
|
|
|
神経性頻尿 |
|
|
|
〇 |
|
〇 |
|
慢性膀胱炎 |
|
|
|
〇 |
|
〇 |
|
慢性前立腺炎 |
|
|
|
〇 |
|
〇 |
|
神経因性膀胱 |
|
|
|
〇 |
〇 |
|
|
不安定膀胱 |
|
|
|
〇 |
〇 |
|
|
過活動膀胱 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
|
頻尿に使われる薬
膀胱が過乗に収縮してしまい頻尿を起こしているときに、これを鎮めるのに古くからフラボキサート(ブラダロン)が使われてきました。
膀腕平滑筋に直接働きかけ、筋肉を緩めるとされています。
次に述べる抗コリン薬に比べ、効き目がおだやかなため、抗コリン薬にとって代わられるか、併用されるようになっています。
頻尿が膀胱の過剰の収縮によるとして、それが細菌による炎症なのかどうかで治療法が異なります。
膀胱炎ならば原因となる菌に効果のある抗生剤を用いれば、通常短期間で治ります。
頻尿だけでなく、痛みがないかおしっこに血が混じらないか(血尿)などの問診、検尿(白血球・細菌が多くないか)が最初に行なわれるのもこのためです。
おしっこの薬「抗コリン薬」
膀胱炎が原因でないとわかれば、膀胱の筋肉の収縮を弱め、膀胱をリラックスさせて、膀胱を拡げてくれる抗コリン薬が用いられます。頻尿に一番使われる薬です。
おしっこをするとき、副交感神経の末端からアセチルコリンという物質が放出されることで膀胱の収縮が促されます。
抗コリン薬は、このアセチルコリンの働きを弱めて膀胱の異常な収縮を抑える。飲み始めて1週間から1ヶ月くらいで効果が現われます。
抗コリン薬の副作用
抗コリン作用は、膀胱の筋肉だけではなくて、唾液腺や腸管の収縮に関係する筋肉でも起こり得えます。そのため唾が出にくくなってロの中が渴いたり、腸の働きを低下させ便秘になる、といった副作用が現われる場合があります。とくに高齢者に起こりやすく、薬の量も調整されます。
同じ理由で抗コリン薬は、閉塞隅角緑内障では禁忌とされています(抗コリン作用により眼圧が上昇することがある)。
抗コリン薬の変遷と効果
膀胱を緩める薬としての抗コリン薬は、効果の大きいものとして1990年初頭に「ポラキス」、「バップフォー」が登場してきました。
ただ、ポラキスもバップフォーも強い効果があるだけにロ渴・便秘の副作用も強いです(バップフォーはポラキスより副作用が少ないといわれています)。
この難点を解決するため、唾液の分泌、腸管の動きに影響を及ばさず、膀胱だけに選択的に作用する薬の開発が課題となってきました。
膀胱への選択性を強くして、ロ渴・便秘の副作用が少なくということで、「ベシケア」が登場してきました。ただロ渴・便秘の頻度は少なくなったといっても、ゼロではありません。
ベシケアの後発品として、抗コリン作用はベシケアより弱いが副作用も少ない、「ウリトス」と「ステーブラ」が出ました。
夜間頻尿だけで困っている人などでは、夜だけ1回、ウリトスやステーブラを使うとロの渴きも比較的覚えることなく使えることもあります。
継続しにくい抗コリン薬
抗コリン薬は持続的に飲めれば、6割以上に効果があるといわれています。
ですが過活動膀胱の治療薬(主に抗コリン薬)は1年後で約20%、2年後で10%継続という報告があります。
ベシケアの長期使用調査では1年後39.8%、2年後26.8%で、継続率が高いといわれているが、それでも3割くらいの人しか継続して飲めないともいえます。
頻尿の不便さと副作用の辛さを天秤にかけて使っているのが現状といえます。
なお便秘には下剤を併用、ロ渴には飴をなめたり、レモンのはちみつ漬けを常備して対応している人もいます。
内服以外にポラキスの効果の強さを生かしてテープ剤も開発されています。
また夜間頻尿も原因は一つではなく、膀胱機能の問題・夜間多尿・睡眠障害など、複数の要因が元でなるといわれています。
そのため夜間8回おしっこに行っていた人が抗コリン薬を飲んで4回に改善できることもありますが、全然効果がない人も出てきます。
また膀胱機能だけに問題のある人でも、抗コリン薬が効かない人もいます。
抗コリン薬は、膀胱の異常な収縮を抑えるが、積極的に膀胱を拡げる薬として、最近β3作動薬「べ夕ニス」も開発されました。β受容体への選択性がかなり強いので、心臓への副作用も心配せずに使えるといわれています。ベ夕ニスは高齢者に、ロの渴きや便秘の副作用がほとんどない点でも期待されています。
尿意切迫感についてはべシケアの方が効果があり、頻尿には膀胱を拡げ、尿をためておいてくれるベタニスのほうが効果があるという医師もいます。
男性用おしっこの薬
従来、植物エキス製剤、エビプロスタット(セイヨウオキナダサ、小麦胚芽油、スギナ、オオウメガサソウなどのエキスを混ぜ合わせたもの)と、セルニルトン(トウモロコシ、ネコヤナギ、松、フランスギク、ライ麦などの植物の花粉を利用したもの)が用いられてきました。
その効果の点で近年は抗男性ホルモン薬やG1受容体遮断薬(alブロッカー)にとって代わられ、補助的に用いられています。
抗男性ホルモン薬
抗男性ホルモン薬プロス夕ールは、前立腺自体の容量を小さくする効果があるとして、1980年代に登場しました。
しかし前立腺肥大症による排尿障害は、大きさを小さくしただけでは症状が軽減しないのみならず、プロス夕ールは、男性ホルモンの1種であるテストステロンを減らす作用があるため、性機能が低下し、海外では訴訟も起きました。
プロス夕ールはホルモンに作用することで前立腺がんの腫瘍マーカーpsAにも影響し、がんかどうか判別を難しくする難点もありました。
その後、前立腺肥大を小さくする抗男性ホルモン薬の1種で、テストステロンの値を下げないため、性機能障害を起こさない5α還元酵素阻害薬のアボルブが開発されました。今のところ副作用は大きくないとされていますが、効き目は今一つで、後述するハルナールに上乗せで使われています。
α1受容体遮断薬(α1ブロッカー)
1980年代「高血圧でα1ブロッカーを飲んでいる人は、おしっこの出がいいそうだ」ということがヒントになり、前立腺に対するα1ブロッカーの研究が始まりました。
人の前立腺はα1受容体が多く存在しています。α1ブロッカーは、肥大した前立腺や筋肉・尿道に作用して、尿道を拡げることで排尿障害を改善できるということでα1ブロッカー血圧降下薬に注目が集まりました。
しかし、例えば、ミニプレス、エブランチルは、血管にも作用し、前立腺肥大症には効果があるが、起立性低血圧になる難点がありました。
そのなかでα1ブロッカーのハルナールが、血圧を下げる薬として開発されましたが、他のα1ブロッカーより起立性低血圧を起こすことが少なく、前立腺肥大症の治療薬として用いられています。
これも前立腺の硬さも緩め、柔らかく弛緩させることでおしっこの障害を改善することができます。
その後、前立腺のα1受容体には、α1Aとα1Dのサブタイプがあることがわかり、α1A優位の男性とa1D優位の男性がいることもわかりました。
最近使用されている薬
現在、選択的α1ブロッカーとしてはハルナール、フリバス、ユリーフが主に用いられています。
ハルナールとユリーフはα1A阻害薬、フリバスはα1D阻害薬なので、サブ夕イプの違いからハルナール、ユリーフが効かなかった人にフリバスが効くということもある。
ユリーフには逆行性射精の副作用があるが、1日2回の使用なので夜間に作用を強くしたいときに容量を調節できます。フリバスは、夜間頻尿の人に有効だといわれています。
その他のおしっこの薬
β2刺激剤(スピロベントなど)は、気管支平滑筋の収縮を抑え、気道を拡げる作用があるため、もともとは気管支喘息などに使われていました。
膀胱平滑筋の異常収縮を抑え、尿道の筋肉の収縮も強めてくれる点にも注目され、腹圧性尿失禁に用いられます。
他臓器の自律神経β2も刺激するため、物が二重に見えたり手が震えたり、さらに動悸がするという副作用が出ることもあります。
排尿筋低活動に用いられる薬
コリン作動薬のべサコリン、ウブレチドなどは、膀胱平滑筋の収縮力を改善させ、おしっこが困難な症状を緩和することにも用いられます。
腸管にも作用するので腹痛・下痢などの副作用が出ることもあるので注意が必要です。
副作用の少ない漢方薬がおすすめ
抗コリン薬を中心に尿トラブルの対策として使用される病院の処方薬を紹介してきました。
これらにはやはり副作用も付き物で、その様々な症状のせいで飲むのが嫌になる方も多いものです。
病院で処方される西洋薬の他に、副作用が少なく手軽に試すことが出来るのが漢方薬です。
漢方薬の場合は、漢方に詳しい病院で処方してもらうこともできますが、薬局やインターネット通販でも簡単に手に入れることが出来るため効果を試しやすい薬と言えます。
八味地黄丸
尿トラブルに効果があると認められている漢方薬で有名なのが、「八味地黄丸」という生薬の組み合わせです。
その名の通り、8種類の生薬で作られるこの漢方薬は、体を温め、体全体の機能低下に元に戻していく処方です。腎のはたらきを良くする生薬として、新陳代謝機能を高めて主に中年以降の治療薬として効果があります。
八味地黄丸は頻尿や軽い尿もれ、残尿感、 夜間尿などを改善していきます。 また、「腎気丸(じんきがん)」の別名があるように、昔から“腎虚(じんきょ)”に対して用いられてきました。漢方でいう腎とは、現代医学でいう腎臓だけでなく、副腎、膀胱、そして生殖器を含めた総称です。
以下に、効果、価格で評判の高いおすすめの八味地黄丸をご紹介します。
一番人気は【生漢煎 八味地黄丸】
八味地黄丸にもいくつかのメーカーがありますが、一番人気は株式会社アインファーマシーズ(東証一部上場のアインホールディングス)が製造、販売する【生漢煎 八味地黄丸】です。
【生漢煎 八味地黄丸】は質の良い生薬のみを使用し、粉薬でなく丸薬にすることで飲みやすいということも特徴です。
公式サイトからの購入なら、初回限定で1箱1,900円+税で購入できるので、効果を一ヶ月間、気軽に試すことができるのも大きなポイントです。
下記のページには効果効能や、口コミ・評判をまとめていますので参考にどうぞ。